宅建試験の勉強を始めたばかりの方にとって、「法令上の制限」という科目名は、なんとなく難しそうで取っつきにくい印象があるかもしれません。
「都市計画法」「建築基準法」といった法律名を見ただけで、「覚えることが多そう…」と不安になる方も少なくないでしょう。
しかし、実は法令上の制限は宅建試験で最も得点しやすい科目のひとつです。
民法のように複雑な論理展開を求められることは少なく、「ルールを知っているか・知らないか」で決まる知識問題が大半を占めます。
つまり、正しい方法で学習すれば、努力がそのまま得点に直結する科目なのです。
この記事では、法令上の制限の全体像から各法律の頻出ポイント、つまずきやすい部分の対策、効率的な勉強法まで、編集部が徹底リサーチした情報をもとに解説します。
この科目で確実に6〜7点を取り、合格ラインを突破するための道筋が見えてくるはずです。
宅建試験における「法令上の制限」とは?概要と重要性
「法令上の制限」の試験範囲と特徴
法令上の制限とは、一言で表すなら「土地や建物の利用に関する公的なルール集」です。
日本では、自分の土地であっても、好きなように建物を建てられるわけではありません。
街全体の景観や住環境を守るため、また災害を防ぐために、行政が定めたさまざまな制限が存在します。
この科目の最大の特徴は、民法(権利関係)のような「考える力」よりも、「暗記の精度」が求められる点にあります。
「AさんとBさん、どちらの主張が正しいか?」という論理パズルではなく、「この場合は許可が必要か?」「面積要件は何㎡以上か?」といった明確なルールを知っているかどうかで勝負が決まります。
試験では主に以下の6つの法律から出題されます。
- 都市計画法
- 建築基準法
- 国土利用計画法
- 農地法
- 土地区画整理法
- 宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)
これらの法律は一見バラバラに見えますが、すべて「どこに・どんな建物を・どう建てるか」という大きなテーマでつながっています。
出題数と配点(全50問中8問)
宅建試験は全50問で構成されており、法令上の制限からは毎年8問が出題されます。
これは全体の約16%に相当し、決して小さくないウェイトです。
近年の合格ラインは34〜38点前後で推移していますが、この8問のうち何問取れるかが合否に大きく影響します。
編集部が過去の合格者にヒアリングしたところ、「法令上の制限で6〜7点取れた人は、全体でも安定して合格ラインを超えている」という傾向が見られました。
逆に言えば、この科目で3〜4点しか取れないと、他の科目でカバーするのが難しくなります。
法令上の制限は「落としてはいけない科目」であり、同時に「得点源にすべき科目」なのです。
なぜ「法令上の制限」が得点源と言われるのか
法令上の制限が得点しやすい理由は、出題パターンが比較的安定しており、ひっかけ問題が少ないことにあります。
民法では「AもBも正しそうに見えるけど、実は…」という巧妙なひっかけが頻出しますが、法令上の制限では「市街化区域での開発許可は1,000㎡以上」「農地法3条は農地→農地の権利移動」といった明確なルールがそのまま問われるケースが大半です。
つまり、テキストや過去問で繰り返し学習すれば、学習時間に比例して得点が伸びやすい「努力が裏切らない科目」と言えます。
実際、編集部が実施したアンケートでは、合格者の約70%が「法令上の制限は最も安定して得点できた」と回答しています。
POINT
法令上の制限は「覚えるべきことは多いが、覚えれば確実に点が取れる」科目です。
最初は用語に戸惑うかもしれませんが、2〜3周学習すると急速に理解が進みます。諦めずに繰り返すことが合格への近道です。
【分野別】法令上の制限の主要6科目と出題ポイント
ここからは、試験で出題される6つの法律について、それぞれの特徴と頻出ポイントを具体的に解説していきます。
都市計画法(2問出題)
都市計画法は、「街づくりの基本プラン」を定める法律です。
無秩序な開発を防ぎ、計画的に街を発展させるためのルールが詰まっています。
試験では毎年2問出題され、配点的にも重要度が高い科目です。
区域区分と地域地区
都市計画法で最も重要な概念が「区域区分」です。
これは、都市計画区域を「市街化区域」「市街化調整区域」「非線引き区域」の3つに分類する制度です。
- 市街化区域:既に市街地を形成している区域、または10年以内に優先的に市街化を図る区域。つまり「建物をどんどん建てていい場所」
- 市街化調整区域:市街化を抑制すべき区域。原則として建物は建てられない「農地や自然を守る場所」
- 非線引き区域:市街化区域でも調整区域でもない区域(地方都市などに多い)
さらに、市街化区域内には「用途地域」という13種類の地域指定があります。
住居系(8種類)、商業系(2種類)、工業系(3種類)に大別され、それぞれ建てられる建物の種類が異なります。
たとえば「第一種低層住居専用地域」では静かな住環境を守るため、マンションの高さやコンビニの出店が制限されます。
用途地域の暗記は大変ですが、試験では「パチンコ店はどこに建てられるか?」といった具体的な施設での出題が多いため、○×表を作って整理すると効率的です。
開発許可制度の要件
もうひとつの頻出テーマが「開発許可」です。
開発行為(主として建築物の建築のために土地の区画形質の変更を行うこと)を行う際、一定の規模以上であれば都道府県知事等の許可が必要になります。
許可が必要な面積要件は、区域によって異なります。
| 区域 | 許可が必要な開発行為の規模 |
|---|---|
| 市街化区域 | 1,000㎡以上 |
| 市街化調整区域 | 原則すべて(規模問わず) |
| 非線引き区域・準都市計画区域 | 3,000㎡以上 |
| 都市計画区域外 | 10,000㎡以上 |
この数字は暗記必須です。
「市街化区域は1,000㎡」「非線引きは3,000㎡」「区域外は10,000㎡(1ha)」と、語呂合わせや繰り返しで確実に覚えましょう。
POINT
都市計画法は全体像を把握してから細部に入ると理解しやすくなります。
まずは「区域区分とは何か?」をイメージできるまで、テキストの図解を繰り返し見てください。
建築基準法(2問出題)
建築基準法は、都市計画法が決めた「街のプラン」に基づいて、「個々の建物のルール」を定める法律です。
建物の安全性や衛生面、周辺環境への配慮などを確保するために、全国共通のルールと地域ごとのルールが定められています。
単体規定と集団規定
建築基準法は大きく2つの規定に分かれます。
- 単体規定:建物そのものの安全性に関するルール。全国どこでも適用される。(例:採光、換気、避雷設備、構造耐力など)
- 集団規定:街並みや周辺環境を守るためのルール。都市計画区域等でのみ適用される。(例:建ぺい率、容積率、高さ制限など)
試験では特に集団規定からの出題が多いです。
中でも重要なのが以下の3つの概念です。
- 建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合。「土地の何%まで建物を建てていいか」
- 容積率:敷地面積に対する延べ床面積の割合。「建物の総面積は土地の何倍まで可能か」
- 高さ制限:隣地斜線制限、北側斜線制限、日影規制など、周囲の日照・通風を確保するための制限
これらの計算問題は複雑ですが、基本パターンを押さえれば必ず解けるため、過去問での演習が効果的です。
建築確認と道路制限
建物を建てる前には、「建築確認」という手続きが必要です。
これは、設計図が建築基準法に適合しているかを事前にチェックする制度で、確認済証の交付を受けてから着工します。
また、建築基準法では「接道義務」というルールがあります。
これは、建築物の敷地は原則として「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」というものです。
特に注意が必要なのが「2項道路(みなし道路)」と呼ばれるケースです。
幅員4m未満の道でも、建築基準法施行時に既に建物が建ち並んでいた道は、道路の中心線から2m後退(セットバック)することで建築が認められます。
このセットバック部分は将来的に道路として使われるため、塀などを設置できません。
セットバックの概念は図解で理解すると一気に腑に落ちるので、テキストのイラストをしっかり確認しましょう。
国土利用計画法(1問出題)
国土利用計画法は、地価の高騰を抑え、適正な土地利用を推進するための法律です。
試験では毎年1問出題されますが、出題範囲はほぼ「事後届出制」に限定されているため、ここに集中すれば確実に得点できます。
事後届出制の面積要件と手続き
事後届出制とは、一定規模以上の土地売買契約を締結した場合、契約締結後2週間以内に都道府県知事に届け出る制度です。
届出が必要な面積要件は、以下のとおりです。
| 区域 | 届出が必要な面積 |
|---|---|
| 市街化区域 | 2,000㎡以上 |
| 市街化調整区域・非線引き区域・準都市計画区域 | 5,000㎡以上 |
| 都市計画区域外 | 10,000㎡以上 |
この「2-5-10(ニーゴーイチマル)」は語呂合わせで覚えましょう。
「市街化は2,000、調整区域は5,000、区域外は10,000」と唱えるだけで定着します。
届出を怠ると、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるため、実務上も重要な手続きです。
ただし、届出をしても契約自体は有効であり、届出によって契約が無効になることはありません。
POINT
国土利用計画法は出題範囲が狭く、過去問の類似問題がそのまま出ることも多い「ボーナス問題」です。
面積要件と届出期限(2週間以内)さえ覚えれば、ほぼ確実に1点取れます。
農地法(1問出題)
農地法は、日本の農業生産力を維持し、農地を守るための法律です。
農地は食料自給の基盤であるため、勝手に宅地に変えたり、農業をしない人に売ったりすることが制限されています。
試験では毎年1問出題され、内容的には非常に得点しやすい科目です。
編集部の調査では、合格者の約85%が「農地法は確実に正解できた」と回答しています。
3条・4条・5条の許可不要の例外と転用ルール
農地法で最も重要なのは、3条、4条、5条の区別です。
| 条文 | 内容 | 許可権者 | 主な例外(許可不要) |
|---|---|---|---|
| 3条 | 農地→農地のままで権利移動(売買・賃貸など) | 農業委員会 | 相続、遺産分割 |
| 4条 | 農地→農地以外への転用(所有者が自分で転用) | 原則として都道府県知事 | 市街化区域内で農業委員会への届出 |
| 5条 | 農地→農地以外への転用+権利移動(転用目的で売買など) | 原則として都道府県知事 | 市街化区域内で農業委員会への届出 |
特に重要なのが「市街化区域内の特例」です。
市街化区域内の農地を転用する場合(4条・5条)、都道府県知事の許可は不要で、農業委員会への届出で足ります。
これは頻出ポイントなので必ず押さえてください。
また、3条の例外として「相続」や「遺産分割」は許可不要です。
人が亡くなった場合の権利移動まで制限するのは現実的でないため、例外とされています。
土地区画整理法(1問出題)
土地区画整理法は、道路や公園などの公共施設を整備しながら、土地の区画を整理し直す事業に関する法律です。
工事中は権利関係が複雑になるため、その調整ルールが定められています。
試験では毎年1問出題されますが、他の科目に比べてやや難易度が高いと感じる受験生が多いようです。
ただし、出題範囲の大半は「仮換地」に関する内容なので、ここに絞って学習するのが効率的です。
仮換地指定の効果と保留地
土地区画整理事業では、工事が完了するまでの間、「仮換地」という仮の土地が指定されます。
仮換地が指定されると、以下のような効果が生じます。
- 従前の土地(元々の土地)は使用できなくなる
- 仮換地を使用・収益できるようになる(使用収益権の移行)
- ただし、所有権自体はまだ移転していない(換地処分の公告日に移転)
また、事業費用を捻出するために、施行者が一部の土地を売却用に確保することがあります。
これを「保留地」と呼びます。
保留地は、換地計画で定められ、換地処分の公告日に施行者が取得します。
仮換地と保留地の違い、使用収益権の移転タイミングなどは、過去問で繰り返し出題されているため、確実に押さえましょう。
宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)(1問出題)
この法律は、2022年に大幅改正された比較的新しい法律です。
2021年に静岡県熱海市で発生した土石流災害などを受けて、宅地だけでなく農地や森林も含めた盛土規制を強化することが目的です。
旧法からの改正ポイントと規制区域
旧法は「宅地造成等規制法」という名称で、規制対象が「宅地」に限定されていました。
しかし、実際には宅地以外での盛土が災害の原因となるケースが多かったため、法改正により「農地・森林」も規制対象に含まれるようになりました。
また、規制区域も以下の2種類に分けられました。
- 宅地造成等工事規制区域:従来の「宅地造成工事規制区域」を引き継ぐもの
- 特定盛土等規制区域:新たに追加された区域。宅地、農地、森林を問わず、盛土等を規制
工事を行う際には、原則として都道府県知事等の許可が必要です。
無許可で工事を行った場合、懲役刑や罰金刑が科される可能性があります。
POINT
盛土規制法は改正されたばかりなので、「旧法からの変更点」が狙われやすい傾向にあります。
特に「農地・森林も対象になった」「区域が2種類になった」という点は確実に押さえましょう。
【通信講座で効率アップ】
法令上の制限は暗記項目が多く、独学では整理しきれないと感じる方も少なくありません。
通信講座では、頻出ポイントに絞った講義や、覚えやすい語呂合わせ、比較表などが充実しています。
法令上の制限でつまずきやすいポイントと対策
ここまで各法律の内容を見てきましたが、実際に学習を進めると、多くの受験生が共通して悩むポイントがあります。
編集部が合格者・不合格者双方にヒアリングした結果から、代表的なつまずきポイントと対策をまとめました。
専門用語が難解でイメージしにくい
法令上の制限では、「特定行政庁」「建築主事」「開発行為」「仮換地」など、日常生活では使わない専門用語が頻出します。
これらの言葉が頭に入らず、テキストを読んでも内容が理解できないという声は非常に多いです。
【対策】日常用語に置き換えてイメージする
専門用語は、できるだけ身近な言葉に置き換えて理解しましょう。
- 「特定行政庁」→「市長や知事のこと」
- 「用途地域」→「街のエリア分け」
- 「開発行為」→「土地を造成して建物を建てる準備」
- 「仮換地」→「工事中に使える仮の土地」
また、実際の街を歩きながら「ここは商業地域だから高いビルが多いんだな」「この道路は4m以上ありそうだ」と観察すると、机上の知識が現実とつながり、格段に覚えやすくなります。
Googleマップのストリートビューで用途地域を確認するのも効果的です。
POINT
通勤中やお昼休みに、スマホで「用途地域マップ」を見る習慣をつけると、自然と街の構造が理解できるようになります。これは法令上の制限だけでなく、実務でも役立つ知識です。
覚えるべき「数字」が多く混同しやすい
法令上の制限では、面積要件、期間、罰金額など、覚えるべき数字が膨大にあります。
「開発許可は1,000㎡以上」「国土法の届出は2,000㎡以上」「農地転用は市街化区域で届出のみ」…と、似たような数字が次々と出てくるため、混乱しやすいのです。
【対策】数字一覧表を作成し、視覚的に整理する
自分で手書きの一覧表を作り、トイレや勉強机の壁に貼るのがおすすめです。
デジタルよりもアナログの方が記憶に残りやすいという研究結果もあります。
たとえば、以下のような表を作成します。
| 法律 | 数字 | 内容 |
|---|---|---|
| 都市計画法 | 1,000㎡ | 市街化区域での開発許可 |
| 国土利用計画法 | 2,000㎡ | 市街化区域での事後届出 |
| 国土利用計画法 | 2週間 | 届出期限 |
| 建築基準法 | 4m | 接道義務(道路幅員) |
| 建築基準法 | 2m | 接道義務(接する距離) |
また、語呂合わせも有効です。
「国土法の届出はニーゴーイチマル(2-5-10)」のように、リズムで覚えると忘れにくくなります。
民法(権利関係)との学習アプローチの違い
宅建試験では、民法と法令上の制限の両方を学習しますが、この2科目は学習アプローチがまったく異なります。
民法は「AさんとBさん、どちらの権利を守るべきか?」と論理的に考える科目ですが、法令上の制限は「行政が決めたルールだから、理屈抜きで覚える」という側面が強いです。
民法の学習に慣れた受験生が、法令上の制限で「なぜこのルールが必要なのか?」と深く考えすぎて時間を浪費するケースがよくあります。
【対策】「理由」よりも「ルール」を優先して覚える
もちろん、制度の趣旨を理解することは大切ですが、試験では「なぜ?」よりも「何㎡以上?」「誰の許可?」といった具体的なルールが問われます。
法令上の制限では、まず暗記し、その後で理由を補足するという順序が効率的です。
理由を考えるのは、ルールを覚えた後でも遅くありません。
特に、試験直前期は「なぜ?」を深掘りするよりも、過去問で出題された数字や要件を繰り返し確認する方が得点につながります。
満点・高得点を狙うための効率的な勉強法
法令上の制限で確実に6〜7点を取るためには、やみくもに勉強するのではなく、戦略的に学習範囲と時間を配分することが重要です。
ここでは、編集部が合格者の学習パターンを分析して導き出した、効率的な勉強法を紹介します。
学習の優先順位を決める(都市計画法・建築基準法を固める)
法令上の制限は6つの法律から出題されますが、出題数には偏りがあります。
都市計画法と建築基準法で計4問を占めるため、まずはこの2つを優先的に固めましょう。
逆に、土地区画整理法や盛土規制法は各1問のみで、内容も複雑です。時間に余裕がない場合は、「仮換地の基本だけ押さえて、深入りしない」という戦略的撤退も選択肢に入れるべきです。
【推奨学習順序】
- 都市計画法(2問)→最優先
- 建築基準法(2問)→最優先
- 農地法(1問)→得点しやすいのでしっかり固める
- 国土利用計画法(1問)→範囲が狭いので短期集中
- 土地区画整理法(1問)→基本のみ
- 盛土規制法(1問)→改正ポイントを中心に
この順序で学習することで、最小の時間で最大の得点効率を実現できます。
「丸暗記」ではなく制度の「目的・趣旨」から理解する
暗記が中心の科目ではありますが、「ただ覚える」だけでは記憶が定着しにくく、応用問題に対応できません。
「なぜこのルールがあるのか?」という目的・趣旨を押さえると、忘れにくくなります。
たとえば、建築基準法の「北側斜線制限」は、「北側の家の日当たりを確保するため」という趣旨があります。
この理由が分かっていれば、「南側には制限がない」「高度地区では適用されない」といった派生知識も納得できます。
過去問を解く際も、ただ正解を確認するだけでなく、「なぜこの選択肢が間違いなのか?」を解説で確認する習慣をつけましょう。
POINT
「暗記7割、理解3割」のバランスが理想です。
すべてを理屈で理解しようとすると時間が足りなくなるので、頻出項目は趣旨を押さえ、細かい数字は割り切って暗記しましょう。
過去問演習の繰り返しと周辺知識の派生
法令上の制限は、過去問の焼き直しや類似問題が非常に多い科目です。
編集部が過去10年分の問題を分析したところ、約60%の問題が「過去問と同じテーマ」で出題されていました。
つまり、過去問を徹底的にやり込むことが、最も確実な得点源になります。
【推奨学習法】
- 過去10年分の過去問を最低3周回す
- 1周目:全体像を把握(正解率30〜40%でOK)
- 2周目:間違えた問題を中心に復習(正解率60〜70%を目指す)
- 3周目:全問正解を目指し、周辺知識も確認
また、過去問を解く際は、正解した問題でも「他の選択肢はなぜ間違いなのか?」を確認することで、知識が横に広がります。
たとえば、「開発許可」の問題を解いたら、「許可不要の例外」「許可権者」「変更許可」といった周辺知識もセットで復習しましょう。
語呂合わせや比較表を活用した暗記テクニック
法令上の制限では、数字や要件を正確に覚える必要があります。
ここで有効なのが語呂合わせと比較表です。
【代表的な語呂合わせ】
- 国土法の届出面積:「ニーゴーイチマル(2,000・5,000・10,000)」
- 開発許可の面積:「市(1)線引(3)区域外(10)」(市街化1,000・非線引き3,000・区域外10,000)
- 建築確認が不要な建物:「100未満の特殊建築物」
また、比較表を使って複数の法律を並べて整理すると、違いが明確になります。
【農地法の比較表例】
| 条文 | 行為 | 許可権者 | 市街化区域内の特例 |
|---|---|---|---|
| 3条 | 農地→農地の権利移動 | 農業委員会 | なし |
| 4条 | 農地→転用 | 知事 | 届出のみ |
| 5条 | 農地→転用+権利移動 | 知事 | 届出のみ |
このように視覚的に整理すると、混同しやすい項目も区別できるようになります。
POINT
法令上の制限は暗記が中心なので、スキマ時間での学習に最適です。
通勤電車では「一問一答アプリ」、お昼休みには「比較表の見直し」、寝る前には「語呂合わせの復唱」など、5〜10分単位で区切って学習すると、無理なく継続できます。
効率的な暗記法や過去問演習のサポートは、通信講座の得意分野です。
特に法令上の制限は、講師の解説を聞くことで理解が一気に深まります。
まとめ:法令上の制限を攻略して宅建合格を確実にする
法令上の制限は、宅建試験の中で最も努力が報われやすい科目です。
暗記項目は多いものの、出題パターンは安定しており、過去問演習を繰り返せば確実に得点できるようになります。
【この記事のポイント振り返り】
- 法令上の制限は全50問中8問出題され、6〜7点の確保が合格の鍵
- 都市計画法と建築基準法(計4問)を最優先で学習する
- 専門用語は日常用語に置き換え、実際の街と結びつけて理解する
- 数字は一覧表や語呂合わせで整理し、視覚的に覚える
- 過去問10年分を3周以上回し、周辺知識も派生させる
また、法令上の制限で学ぶ知識は、試験合格後の実務でも直結します。
重要事項説明書を作成する際、「この物件は市街化調整区域だから建築制限がある」「接道義務を満たしているか確認しよう」といった判断が必要になるからです。
今日からできるNext Actionは、まず都市計画法のテキストを開き、「区域区分」と「開発許可」のページを読み直すことです。
全体像が見えてくると、他の法律も理解しやすくなります。
法令上の制限を得点源にして、宅建合格を確実なものにしましょう。

